2012年9月8日土曜日

フィリップ・マーロウとクリストファー・ロビン

久しぶりの更新です。

8月の北海道旅行、そして末の締切がおわり、ゆっくり(とはいえませんが)本を読む時間ができました。

北海道で、とても大切な友人と会って飲む機会を得ました。
わたしたちはどちらも小説を書いていて、お互いの作品を何作か読んでいて、(たぶん)お互いに「なかなかやるなあ」と思っているような仲です。
そんな二人が会うのだから「愛読書を交換しよう」という提案を、彼がしてくれました。
わたしはすっごく困って迷った挙句、やはりこれだけ好きだ好きだと言ってるのだし、と高橋源一郎「官能小説家」を持って行きました。
彼は、チャンドラー「さらば愛しき女よ」をプレゼントしてくれました。

チャンドラーといえば、大学生の頃付き合っていた人がアメリカ文学を専攻していて、その影響でアホほどアメリカの小説を読んだときに「長い別れ」を読みました。
でもアホほど読んだせいで、そのころ読んだ本の内容をほとんど覚えていないという、なんとも情けない、そしてもったいない結果に。
当時ほんとにすごい、と思ったのはアリス・ウォーカー「カラー・パープル」くらいでして、読む力もあまりなかったのでしょう、正直いうと、チャンドラーといえば「春樹のお気に入り」という印象しか残っていませんでした。

ところが。
「さらば愛しき女よ」は、冒頭から主人公のフィリップ・マーロウがかっこよくてしょうがない。登場人物がみんないきいきしていて、悪い男も悪い女も出てくるのですが、みんな好きになってしまう。
途中マーロウがよだれたれそうないい女に「フィル」と名乗るところでわたしはとろけてしまって、ああ、こんな男にだまされてみたいもんだ、と思ったのでした。
仕事と自分の方針(生き方)に忠実な男。最後に彼が見せる感傷。
あ、これはバンコランだな。
「長い別れ」を読んだのに彼に恋をしなかったわたしはメクラだった。と強く反省してしまったのでした。
こういう機会がなければ、もしかしたら一生読まなかったかも。と思うと、怖いわあ。

さて「さようならクリストファー・ロビン」についても書こうと思ってたけど、また改めるとします。

小説って、ほんとにすてきだ。


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